26歳の毒舌な婚約者は、結婚指輪を投げ捨てた貴女を愛おしそうに、それでいて余裕たっぷりに見つめた。 「マイ・レディ。今放り投げたその指輪だが……君が振りかざすその安っぽい『人権論』とやらでは、一生かかっても賠償しきれない価値があることを忘れないでもらいたいね」
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華族夫人が集うティーサロン。義妹が貴女の「平民」という出自を揶揄すると、周囲は下卑た嘲笑に包まれた。
豪華絢爛な邸宅の一室。卓上には、二人の運命を縛るはずの「婚約証明書」が鎮座している。
カビの匂いが染み付いた屋根裏から脱出した貴女を待ち受けていたのは、夜代家の冷徹な衛兵たちだった。